Vol.33 色の連想 |
さて、新年一発目のメールマガジンなので、ビールのお話でも・・・。
もちろん、色に関わるお話ですよ・笑
以前にもお話しましたが、色彩は連想させる力があります。
逆もしかりで、物や商品から色を連想することもあります。
例えば、ビールから色を連想して下さいと問われると皆さんは、何色を想い浮かべますか?
おそらく、ビールその物の色から「黄色」「琥珀色」「金」ビールの泡から「白」
そして、黒ビールから「黒」など連想することが多いと思います。
また、商品自体(缶ビール)の色からシルバーや黒と思い浮かべることがあると思います。
しかし、これらの色同士の配色以外の缶ビールが最近は、販売されています。
その商品は、アサヒビールさんの「プライムタイム」です。
http://www.asahibeer.co.jp/primetime/primetime.html
このビールの配色は、地色を「紺」そして文字を「金」といった配色です。
基本的に、ビールから連想されにくい青系統の色を利用している点が面白いです。
しかし、私個人の意見としては、「有り」な配色だと思います。
なぜかって?
アメリカの商業デザイナー「レイモンド・ローウィ」がデザインをした「ピース紺」の配色と同じだからです。
煙草のパッケージとして大変有名ですが、この紺ピースは、当時、本当に人気があったんですよ。
このデザインに切り替わった際の売上は、前年同月の3倍になったらしいです。
ただ、あまりにもメジャーになりすぎ、紺は煙草らしさを表す色=健康に害を与える色としてのイメージが
着き過ぎ、その後、色の変更をしなければならなくるという経緯がありましたが・・・。
さぁ、このアサヒビールさんの「プライムタイム」はどうなるでしょうか。
個人的に楽しみです!
コンセプト「自分だけの極上の時間」通り、非常に高級感が漂っているデザインですよね。
また、紺に上記のようなイメージは現在無いように思います。
物や商品、そして物事と色の連想は、時代や社会の流れの変化により、連想も変化します。
商品企画をされている方だけでなく、カラーコーディネートをされる方は、
その時代の色の流れも把握しておくことも重要なファクターですよ。
それでは、また、来月!
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heavenlyの色彩&ファッショントークマガジン vol.25/2007年1月16日掲載 |
Vol.34 実例話 |
さて、今回は、Webの実例で色のお話を・・・
弊社には、株式会社アネストブレーントラスト(通称:アネスト)さん※1とコラボレーションをして
運営管理しているサイトがあります。
そのサイトが「住むネット※2」http://www.sumunet.jp/と言います。
サイトデザインを全て私が行いました。(※専門家サポートの中身のコンテンツを除く)
ここでの色の使い方ですが、基本的にどのようなことを考えてコーディネートしたかというと・・・
まずはテーマカラー。
「落ち着く」・「和む」・「楽しい」・「家族団らん」・「あったかい家庭」など「家」というキーワードと
「家庭」というキーワードから考えました。
家を購入した後には、やはり家庭などがキーワードとし着いて来ると思ったからです。
そこから暖色系で「オレンジ系統」を選定しました。
次に、各カテゴリーのタブの色まで統一してしまうとメリハリがなくなってしまうので、各カテゴリーには、
トーン(色調)を一定にし、色相で変化をつけるドミナント・トーンという手法を使いました。
ドミナント・トーンとは、「ドミナント=支配する」
つまり、トーン(色調)で統一して、色相で変化をつける手法です。
色彩を施すにあたり、大きなポイントとして「統一と変化」があります。
簡略に説明すると「色相」と「トーン」の関係です。
例えば、色相を統一したうえにトーンも統一するとまとまりすぎて、メリハリが利かず地味に見えます。
つまり1色って感じです。
逆に、色相もトーンも「変化&変化」だとまとまりがなく、色がうるさく見えてしまいます。
基本概念として、色相で統一し、トーンで変化をつけるか、その逆が良いです。
もちろん、まとまりを持たせて、アクセントカラーなどでのコーディネートも良いですが、
それは、またの機会に。
さて、サイトの各カテゴリーでは、カテゴリー別にそれぞれ主調色を持たせているので、
ユーザーは何のカテゴリーのページに来ているのか、また、違うカテゴリーに移ったのか、
が自然と分かるようにしています。。
つまり、識別性を重視しています。
例えば、住宅ローンカテゴリーなら水色です。
http://www.sumunet.jp/loan/index.html
このカテゴリー内の項目はすべて同じ色を利用しています。
よく似た事例としては、地下鉄などの路線図も識別性を考えた配色です。
このように色彩学上から見た、サイトデザインでのポイントはまだまだあるのですが、
長くなってしまうのでメルマガではここまでにします。
カラーは、全てのモノに対してコーディネートを施せる武器ですが、
意味を持った配色と感覚的に施した配色では大きく意味が変わってきます。
是非、カラーの仕事を考えている方は、意味を持った配色を楽しく施してみて下さい。
新たな感覚がつかめるのでは!?
それでは、また、来月!
※1:アネスト http://www.anest.net
マンション・一戸建ての購入のご相談、内覧会、不動産調査、建物調査、住宅ローンの相談など、
住宅取得のコンサルティングをしてくれる会社
※2:住むネット=このサイトの主旨は、一戸建て・マンションの購入、住宅ローンの借り入れに役立つ
ノウハウを提供するサイトです。 |
heavenlyの色彩&ファッショントークマガジン vol.26/2007年2月16日掲載 |
Vol.35 ちょっと脱線 |
さて今月は、色に特化したお話ではなく、ちょっと違ったお話を・・・。
カラースタジオヘヴンリーは、わが社 有限会社アイシスの一セクションとして位置づけています。
元々へヴンリー自体は、私が一人で「色(デザイン業務含む)」に特化した会社を作りたいと思い
個人事業主として起業したのがきっかけでした。
「色」で仕事が成り立つのか?など疑問や不安を抱えながらスタートしましたが、
なんだかんだいって5年目に突入です。
最近では、パーソナルカラーやカラーコーディネートなど、
カラーそのものが一つの商品として認知さてきましたよね。
また、カラーコーディネーターやカラーリスト、カラーアナリストなどの名称で
カラーを専門職とされてご活躍されている方も増えてきたと思います。
その関係からか、色彩検定やカラーコーディネーター検定などの受験者も年々増加しているようで、
大学や専門学校でも色の資格取得講座なども多く開講されており、フクトミも微力ながら非常勤講師で
講義させて頂いたりしてます。
今勉強中で、今後カラーで独立したいと思っている方は、競合は多いですが、
ぜひ頑張っていただきたいと思います。
ただし、明確なヴィジョンと経営方針をしっかりと定め、周りの意見を聞く耳を持つことと加えて、
信頼できるブレーンなども必要かもしれません。
これまでに何件か「カラーでどうやって独立したんですか?」や「カラーの仕事で食べていけますか?」
などの質問を頂くともありましたが、飛び込んで、実際に始めてこそ、言えることがたくさんある、
ということを、フクトミも自分がやってみて実感しています。
絶対に成功するなら誰もがするでしょうし、
リスクを恐れている人は、いつまで経っても起業はできないと言えます。これは、業種関係なく。
色の仕事は、決して独立しなくてもできる仕事です。
例えば、会社の企画部などに属することができれば、商品の色の提案などもできるでしょうし、
色彩知識を持っている人を探している企業様も多数あります。
『色の仕事=起業』ではありません。
ご自分の知識や経験そして個性は、どんな場所にいれば一番発揮できるか、
ご自身でよーく見極めて頂き、そこへ飛び込んで多いに活躍していかれることが、
今後の「色の業界」がより活気付くことへ繋がることと思います。
今月は、ちょっと色ではなく、起業について書いてしまい、
色のお話を楽しみにして頂いていた方には、申し訳ないです。m(_ _)m
それでは、また来月!
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heavenlyの色彩&ファッショントークマガジン vol.27/2007年3月16日掲載 |
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